アルキルアルミニウム

アルキルアルミニウムとは、アルキル基(CₙH₂ₙ₊₁)がアルミニウム原子(Al)に1以上結合した化合物の総称です。
有機金属化合物のひとつで、ハロゲン元素が結合しているものもあります。
有機金属化合物の中でも特に反応性が高く、注意が必要な危険物です。
アルキルアルミニウムに属する主な危険物には、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライドがあります。
アルキルアルミニウムに属する危険物は、固体または液体です。
空気に触れると、速やかに酸化されて自然発火します。
水やアルコールと激しく反応してアルキル基に由来する可燃性のエタン(C₂H₆)を発生して発火し、その結果、物質自体が飛散します。
べンゼン、ヘキサンなどの有機溶剤で希釈されたものは、純度の高いものと比べて反応性が低くなり、危険性が低減します。
空気または水との反応性は、アルキル基の炭素数およびハロゲン数が多いものほど低くなります。
貯蔵にあたっては、常に窒素などの不活性ガスを封入して貯蔵し、空気や水と絶対に接触させないようにします。
貯蔵容器は、耐圧性を有するものを使い、容器の破損防止のため安全弁を付けます。
消火にあたっては、有効な消火剤がなく消火は困難ですが、比較的効果のある消火方法は、乾燥砂等で覆う窒息消火です。
水と激しく反応して可燃性のエタンを発生するため、水系消火剤は使用できません。
また、二酸化炭素と反応して発火し、ハロゲン化物と激しく反応して有毒ガスを発生するため、二酸化炭素やハロゲン化物の消火剤も使用できません。
アルキルアルミニウム | |
性 質 | ◆多くは常温で無色透明な液体であるが、固体のものもある。 ◆空気中の酸素に触れると自然発火する。 ◆水に触れると激しく反応し、可燃性のガス(エタンやエチレンなど)を放出する。 ◆ベンゼンC₆H₆やへキサンC₆H₁₄等の溶剤で希釈したものは、反応性が低減する。 ◆ポリエチレンや合成ゴム製造の重合触媒や、高級アルコール合成原料に使われている。 |
危険性 | ◆空気及び水との反応性が強く、接触すると発火する。一般に、空気または水との反応性は、炭素数及びハロゲン数が増加するに従って低下する。 ◆アルコール類、ハロゲン化物、アセトン、二酸化炭素と激しく反応する。 ◆腐食性が強く、皮膚に触れると激しい火傷を起こす。 |
貯蔵・保管 | ◆窒素などの不活性ガス中に貯蔵する。 ◆空気及び水とは接触させない。 |
消火方法 | ◆発火した場合、消火は極めて困難となる。初期の場合は、乾燥砂などで窒息消火する。また、反応性が高いため、二酸化炭素消火剤は適応しない。 ◆水系の消火剤(水・強化液・泡)は使用できない。 ◆ハロゲン化物消火剤は、反応して有毒ガスを発生するため、使用できない。 |
性状ポイント
●水やアルコールと反応してエタンを発生する。
●ベンゼン、ヘキサンなどの有機溶剤で希釈されたものは、反応性が低くなる。
●アルキル基の炭素数、ハロゲン数が多いものほど、反応性は低い。
●水やアルコールと反応してエタンを発生する。
●ベンゼン、ヘキサンなどの有機溶剤で希釈されたものは、反応性が低くなる。
●アルキル基の炭素数、ハロゲン数が多いものほど、反応性は低い。
貯蔵・消火ポイント
●常に不活性ガスを封入して貯蔵する。
●効果のある消火方法は、乾燥砂等で覆う窒息消火。
●水系、二酸化炭素、ハロゲン化物、リン酸塩類等の粉末の消火剤は使用できない。
●常に不活性ガスを封入して貯蔵する。
●効果のある消火方法は、乾燥砂等で覆う窒息消火。
●水系、二酸化炭素、ハロゲン化物、リン酸塩類等の粉末の消火剤は使用できない。