有機過酸化物

有機過酸化物とは、一般に過酸化水素(H₂O₂)の水素原子(H)(1つないし2つ)が炭素原子で置き換えられた化合物の総称です。
有機過酸化物の性質は、分子内にある-O-O-結合に由来します。
-O-O-結合は結合力が弱く、非常に不安定で、点火によって敵しく燃焼し、一定の条件下で爆発的に分解します。
有機過酸化物に属する主な危険物には、過酸化ベンゾイル、エチルメチルケトンパーオキサイド、過酢酸があります。
過酸化ベンゾイル (C₆H₅CO)₂O₂ | |
性 質 | ◆白色または無色で、無臭。 ◆結晶状・粉状・粒状 ◆比重 1.3。 ◆融点103~105℃(分解温度) ◆水、エタノールにはほとんど溶けない。 ただし、ジエチルエーテルやベンゼンなどの有機溶媒に溶ける。 ◆強力な酸化作用を有する。このため、可燃性物質や還元性物質と爆発的に反応する。酸・アルコール・アミンと激しく反応。 |
危険性 | ◆乾燥状態で着火すると、爆発的に燃焼する。 ◆融点以上に加熱すると、爆発的に分解し有毒な煙を発する。 ◆衝撃・摩擦に鋭敏で、爆発的に分解しやすい。 ◆熱や衝撃などの他、光によっても分解が促進される。 ◆皮膚に触れると軽度の皮膚炎を起こす。 |
貯蔵・保管 |
◆市販品は爆発防止のため、水で湿らせて純度を下げている。 ◆加熱・衝撃・摩擦を避ける。◆容器は密栓し、冷暗所に貯蔵する。 |
消火方法 | ◆大量の水(散水等)または泡消火剤を用いる。 |
メチルエチルケトンパーオキサイド |
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性 質 |
◆特異臭のする無色の油状液体。 ◆引火点58℃以上。 ◆水に溶けないが、ジエチルエーテルに溶ける。 ◆40℃以上になると分解が促進される。 |
危険性 |
◆日光(紫外線)や強い衝撃によって分解する。 ◆鉄や銅などの金属と接触すると、分解して爆発の危険がある。 |
貯蔵・保管 | ◆内圧が高くなると分解が促進されるため、容器のフタは通気性のあるものを使用する。 |
消火方法 | ◆大量の水(散水等)または泡消火剤を用いる。 |
過酢酸 CH₃CO₃H(40%濃度) | |
性 質 | ◆強い刺激臭(酢酸臭)のする無色の液体。 ◆比重1.2、蒸気比重2.6。 ◆引火点41℃。 ◆水、エタノール、ジエチルエーテルによく溶ける。 ◆強力な酸化剤であり、可燃性物質や還元性物質と激しく反応する。また、助撚作用もある。 |
危険性 |
◆110℃に加熱すると爆発する。 ◆皮膚や粘膜を腐食する。 |
貯蔵・保管 | ◆火気厳禁。◆換気良好な冷暗所に可燃物と隔離して貯蔵する。 |
消火方法 | ◆大量の水(散水等)または泡消火剤を用いる。 |
性状ポイント
●有機過酸化物は、-O-O-結合を有するため不安定である。
●有機過酸化物は、低い温度で分解して発火する。
●有機過酸化物には、強力な酸化作用がある。
●有機過酸化物は、直射日光などにより分解して爆発する。
●有機過酸化物は、-O-O-結合を有するため不安定である。
●有機過酸化物は、低い温度で分解して発火する。
●有機過酸化物には、強力な酸化作用がある。
●有機過酸化物は、直射日光などにより分解して爆発する。
貯蔵ポイント
●有機過酸化物は、乾燥状態で取り扱わない。
●有機過酸化物は、強酸類や酸化されやすい物質との接触を避ける。
●有機過酸化物は、直射日光を避け、冷暗所に貯蔵する。
●有機過酸化物は、乾燥状態で取り扱わない。
●有機過酸化物は、強酸類や酸化されやすい物質との接触を避ける。
●有機過酸化物は、直射日光を避け、冷暗所に貯蔵する。