過塩素酸塩類

過塩素酸塩類とは、過塩素酸(HClO₄)の水素イオン(H⁺)が金属などの陽イオンで置き換えられた化合物である過塩素酸塩の総称です。
過塩素酸塩類は、簡単にいえば、塩素酸塩類より酸素が1つ多い物質です。
過塩素酸塩類に属する主な危険物には、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウムがあります。
過塩素酸塩類の特性は、塩素酸塩類と類似していますが、塩素酸塩類より安定しています。
過塩素酸カリウム(KClO₄) | |
性 質 | ◆無色の結晶、比重2.5。 ◆常温では安定しているが、約400℃に加熱すると、酸素と塩化カリウムに分解する。 ◆水及びエタノールに溶けにくい。 |
危険性 | ◆有機物などの可燃物や強酸との混合による危険性は、塩素酸カリウムよりやや低い。 |
貯蔵・保管 | ◆容器は密栓し、異物の混入を防ぐ。◆加熱・衝撃・摩擦を避ける。 |
消火方法 | ◆注水により消火する。 |
過塩素酸ナトリウム(NaClO₄) | |
性 質 | ◆無色の結晶、比重2.0。 ◆吸湿性があり、潮解性を示す。 ◆加熱すると約200℃で分解し酸素を放出する。 ◆水によく溶け、エタノールにも溶ける。 |
危険性 | ◆有機物などの可燃物や強酸との混合による危険性は、塩素酸カリウムよりやや低い。 |
貯蔵・保管 | ◆容器は密栓し、異物の混入を防ぐ。◆加熱・衝撃・摩擦を避ける。 |
消火方法 | ◆注水により消火する。 |
過塩素酸アンモニウム(NH₄ClO₄) | |
性 質 | ◆無色または自色の結晶、比重2.0。 ◆常温でほ安定しているが、約150℃に加熱すると分解して酸素を放出し、約400℃で発火する。 2NH₄ClO₄ → Cl₂ + N₂ + 2O₂ + 4H₂O ◆水によく溶け、エタノールにも溶ける。 |
危険性 | ◆燃焼により多量のガスを発生するため、危険性は塩素酸カリウムよりやや高い。 |
貯蔵・保管 | ◆容器は密栓し、異物の混入を防ぐ。◆加熱・衝撃・摩擦を避ける。 |
消火方法 | ◆注水により消火する。 |
性状ポイント
●過塩素酸カリウムは、水に溶けにくい。
●過塩素酸ナトリウムは、潮解性があり、水によく溶ける。
●過塩素酸アンモニウムは、水に溶けるが、潮解性はない。
●過塩素酸カリウムは、水に溶けにくい。
●過塩素酸ナトリウムは、潮解性があり、水によく溶ける。
●過塩素酸アンモニウムは、水に溶けるが、潮解性はない。
貯蔵・消火ポイント
●大量の水で冷却消化。
●水系消火剤、リン酸塩類等の粉末消火剤を用いる。
●二酸化炭素消火剤、ハロゲン化物消火剤には効果がない。
●大量の水で冷却消化。
●水系消火剤、リン酸塩類等の粉末消火剤を用いる。
●二酸化炭素消火剤、ハロゲン化物消火剤には効果がない。