金属のアジ化物

第5類では「その他のもので政令で定められるもの」として、金属のアジ化物と硝酸グアニジン等が指定されています。
金属のアジ化物とは、アジ化水素(HN₃)の水素原子(H)が他の金属で置き換えられた化合物の総称です。
金属のアジ化物は、3つの窒素原子が結合しているため、非常に不安定で、わずかな衝撃で爆発することがあります。
金属のアジ化物に属する主な危険物には、アジ化ナトリウムがあります。
硝酸グアニジンは、グアニジン(HN=C(NH₂)₂)の硝酸塩で、爆薬の成分として利用されています。
白色の結晶で、水、アルコールに溶けます。
アジ化ナトリウム(NaN₃) | |
性 質 | ◆無色~白色の板状結晶。 ◆水によく溶けるが、エタノールには溶けにくい。 ◆水溶液は弱アルカリ性を示す。 ◆空気中で徐々に加熱すると、溶解して約300℃で窒素とナトリウムに分解する。 ただし、急に加熱すると激しく分解して爆発の危険性がある。 |
危険性 | ◆酸と反応して、有毒で爆発性のアジ化水素HN₃(アジ化水素酸)を発生する。 ◆水があると重金属(鉛・真ちゅう、銅、水銀、銀など)と反応して、特に衝撃に敏感な重金属のアジ化物を生成する。わずかな衝撃で爆発する。 ※アジ化物は、原子団-N₃をもつ化合物の総称である。 ◆重金属との混触により、発熱・発火することがある。 ◆毒性が強い。かつて自動車のエアバッグに使われていたが、現在は使用禁止となっている。 |
貯蔵・保管 | ◆重金属(特に鉛)と一緒に貯蔵しない。◆金属製容器は使用しない。 ◆容器は密栓し、冷暗所に保管する。 |
消火方法 | ◆熱分解により金属ナトリウムを生成する。このため、金属ナトリウムに準じた方法で消火する。乾燥砂などで窒息消火する。注水は厳禁。 |
性状ポイント
●加熱すると窒素とナトリウムに分解する。
●酸と反応して有毒なアジ化水素を生成する。
●水の存在下で重金属と反応して有毒なアジ化物を生成する。
●加熱すると窒素とナトリウムに分解する。
●酸と反応して有毒なアジ化水素を生成する。
●水の存在下で重金属と反応して有毒なアジ化物を生成する。
貯蔵・消火ポイント
●酸や重金属粉と一緒に貯蔵しない。
●消火には、乾燥砂を用いる。
●水系消火剤は使用できない。
●酸や重金属粉と一緒に貯蔵しない。
●消火には、乾燥砂を用いる。
●水系消火剤は使用できない。
硝酸グアニジン(CH₅N₃・HNO₃) | |
性 質 | ◆白色の結晶。 ◆水、エタノールに溶ける。 ◆自動車のエアバッグに使われている。 |
危険性 | ◆急激な加熱や衝撃により爆発する。 |
貯蔵・保管 | ◆容器は密栓し、冷暗所に保管する。 |
消火方法 | ◆水噴霧、泡消火剤、乾燥砂などを用いる。 |
特性ポイント
●白色の結晶で、水やアルコールに溶ける。
●消火方法は、大量の水による冷却消化。
●白色の結晶で、水やアルコールに溶ける。
●消火方法は、大量の水による冷却消化。