鉄粉

鉄粉とは文字通り鉄の粉のことですが、目開きが53㎛(マイクロメートル)の網ふるいを通過するものが50%未満のものは、危険物から除外されています。
鉄のかたまりは、熱の良導体であるため、加熱してもやけどを除けば危険性はありませんが、鉄粉は、酸化表面積が増大して熱伝導率が小さくなるため、加熱などにより容易に発火のおそれがあります。
鉄粉は、灰白色の金属結晶で、水やアルカリには溶けません。
酸に溶けて水素を発生し、高温で水と反応して水素を発生します。また、油分が染みた切削屑などは、自然発火することがあります。
鉄粉(Fe) | |
性 質 | ◆灰白色の粉末。鉄の比重7.9。 ◆酸と反応して水素を発生する。ただし、アルカリとは反応しない。 Fe + 2HCI → FeCl₂ + H₂ ◆乾燥したものは、小炎で容易に引火し白い炎をあげて燃える。 |
危険性 | ◆油分がしみた切削屑は、自然発火する可能性がある。 ◆空気中に飛散すると、粉じん爆発の危険性が生じる。 ◆たい積物は、水分があると酸化熱がより多く発生し、熱が蓄積して自然発火することがある。 ◆加熱したものに注水すると、水素を発生して爆発する危険がある。 |
貯蔵・保管 | ◆酸とは隔離する。◆湿気を避け、容器に密封する。 |
消火方法 | ◆乾燥砂などで窒息消火する。◆水系の消火剤は使用を避ける。 |
性状ポイント
●水、アルカリには溶けないが、酸に溶けて水素を発生する。
●消火には、水系消火器は使用できない。
●水、アルカリには溶けないが、酸に溶けて水素を発生する。
●消火には、水系消火器は使用できない。