アルカリ金属及びアルカリ土類金属

アルカリ金属及びアルカリ土類金属

アルカリ金属に属する主な危険物にはリチウムがあり、アルカリ土類金属に属する主な危険物にはカルシウムバリウムがあります。
(アルカリ金属に属するカリウムとナトリウムは個別の品名として掲げられ、この分類からは除かれています。)

リチウム(Li)
性 質 ◆銀白色の軟らかい金属
◆全ての金属元素の中で最も軽く、比重0.5
◆炎色反応:赤(深赤)
◆水と反応して水素を発生する。ハロゲン元素とも反応する。
危険性 ◆乾いた空気中では酸化されないが、高温にすると酸素・窒素などと反応する。
◆湿気があると空気中で自然発火することがある。
貯蔵・保管 ◆容器は密栓する。◆水とは接触させない。
消火方法 ◆乾燥砂などで窒息消火する。
◆水系の消火剤(水・強化液・泡)は使用できない。
◆ハロゲン化物消火剤は、反応するため使用できない。

 

カルシウム(Ca)
性 質 銀白色の金属で、比重1.6。
◆炎色反応:橙赤
と反応して水素を発生し、消石灰を生じる。
 Ca + 2H₂O → Ca(OH)₂ + H₂
◆空気中で加熱すると炎をあげて燃焼し、生石灰を生じる。
 2Ca + O₂ → 2CaO
還元性が強く、多くの有機物や金属酸化物を還元する。脱酸剤・脱硫剤に使われる。
危険性 ◆水と接触すると常温では徐々に反応し、高温では激しく反応して水素を発生する。
貯蔵・保管 ◆容器は密栓する。◆水とは接触させない。
消火方法 ◆乾燥砂などで窒息消火する。
◆水系の消火剤(水・強化液・泡)は使用できない。

 

バリウム(Ba)
性 質 ◆銀白色の軟らかい金属で、比重3.6。
◆金属光沢を有しているが、空気中でほ徐々に酸化されて白色の酸化被膜に覆われ金属光沢を失う。
◆炎色反応:黄緑
◆化学的性質はCaに似ているが、作用はより激しい。
と反応して水素を発生し、水酸化バリウムを生じる。
 Ba + 2H₂O → Ba(OH)₂ + H₂
ハロゲンとは常温でも反応する。また、水素中で加熱すると、水素化バリウムBaH₂を生じる。
危険性 ◆水と激しく反応して水素を発生する。
貯蔵・保管 ◆容器は密栓する。◆水とは接触させない。
消火方法 ◆乾燥砂などで窒息消火する。
◆水系の消火剤(水・強化液・泡)は使用できない。

 

性状ポイント

●いずれも水と反応して水素を発生する。
●カルシウムとバリウムは、水素中で加熱すると水素化物を生じる。
貯蔵・消火ポイント

消火には、乾燥砂等を用いる。
水系、二酸化炭素、ハロゲン化物の消火剤は使用できない。

 

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