アルキルリチウム

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)
アルキルリチウム

アルキルリチウムとは、アルキル基(CₙH₂ₙ₊₁)とリチウム原子(Li)が結合した化合物の総称です。
アルキルアルミニウムと同様に反応性が高い有機金属化合物です。
アルキルリチウムに属する主な危険物には、 ノルマルプチルリチウムがあります。
ノルマルプチルリチウムは、黄褐色の液体で、比重は1より小さく、水より軽い物質です。
水、アルコール類、アミン類などと激しく反応して可燃性のブタン(C₄H₁₀)を発生します。
べンゼンヘキサンなどの有機溶剤で希釈されたものは、純度の高いものと比べて反応性が低くなります。
貯蔵・取扱いや消火方法は、アルキルアルミニウムと同じです。

ノルマルプチルリチウム (C₄H₉)Li
性 質 黄褐色の液体で、比重0.84。
◆空気中の水分・酸素・二酸化炭素と激しく反応する。
◆水との反応ではブタンを発生する。
 (C₄H₉)Li + H₂O → C₄H₁₀ + LiOH
◆空気中では白煙をあげ、やがて燃焼する。
ベンゼンへキサンなどによく溶け、溶液中では反応性が低減する。
危険性 の他、アルコールやアミンとも激しく反応する。
◆腐食性が強く、眼や皮膚を刺激してただれさせる
貯蔵・保管 ◆窒素などの不活性ガス中に貯蔵する。または、真空中に貯蔵する。
◆空気及び水とは接触させない。
消火方法 ◆発火した場合、消火は極めて困難。初期の場合は、乾燥砂などで消火する。
◆水系の消火剤(水・強化液・泡)は使用できない。
◆ハロゲン化物消火剤は、反応して有毒ガスを発生するため、使用できない。

 

性状ポイント

●比重は1より小さく、水より軽い。
●ベンゼン、ヘキサンなどの有機溶剤で希釈されたものは、反応性が低くなる。

 

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