硫黄

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第2類(可燃性固体)
硫黄

硫黄は、硫化水素(H₂S)を原料に製造される物質で、同素体には、斜方硫黄単斜硫黄ゴム状硫黄などがあります。
また、多くの元素との化合物として硫酸、ゴムなどの製造に広く利用されています。
黒色火薬の原料でもあります。
硫黄は、色の固体で味・臭です。硫黄泉などで感じる独特の臭いは硫化水素ガスの臭いです。
硫黄は、水に溶けませんが、二硫化炭素には溶けます。
約360℃で発火して燃焼すると、有毒な二酸化硫黄(亜硫酸ガス:SO₂)を発生します。
高温では、多くの金属元素や非金属元素と反応します。
また、電気の不良導体で、静電気を蓄積しやすく、粉末状の硫黄は、空気中に飛散すると粉じん爆発を起こすことがあります。

硫黄(S)
性 質 ◆比重2.0~2.1、融点113~120℃。
◆無味無臭。ただし、硫化水素は腐卵臭、二酸化硫黄は刺激臭がする。
◆水には溶けないが、二硫化炭素CS₂にはよく溶ける。また、エタノール、ジエチルエーテルにはわずかに溶ける。
◆空気中では232℃ (発火点) で発火し、腐食性がある二酸化硫黄SO₂(亜硫酸ガス)を生成する。
◆空気中でほ青い炎をあげて燃焼する。
高温にすると、多くの金属元素・非金属元素と反応する。
危険性 ◆粉末や顆粒状にすると、粉じん爆発の危険性が生じる。
電気の不導体で、かくはん等により摩捺させると静電気が発生する。
◆酸化剤との混合物は、加熱、衝撃により爆発することがある。
貯蔵・保管 ◆塊状のものは麻袋に詰めて貯蔵できる。また、粉状のものはクラフト紙(二層)またほ麻袋(内袋付き)に詰めて貯蔵できる。
◆酸化剤と隔離する。
消火方法 ◆水で消火する。融点を超えて液状のものほ土砂等を用いて広がらないようにする。

 

性状ポイント

●水には溶けないが、二硫化炭素には溶ける。
●燃焼すると有毒な二酸化硫黄を発生する。
●高温では、多くの金属元素や非金属元素と反応する。
●電気の不良導体で、静電気を蓄積しやすい。
貯蔵・消火ポイント

●粉末状の硫黄は、2層以上のクラフト紙袋または麻袋で貯蔵できる。
●塊状の硫黄は、麻袋やわら袋で貯蔵できる。
●最も有効な消火方法は、霧状の水または霧状の強化液消火剤の放射。

 

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