赤リン

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第2類(可燃性固体)
赤リン

赤リンは、黄リン(p)を窒素中で、250℃くらいに数時間熱して生成される、黄リンの同素体です。
赤リンは、臭・毒の赤褐色の粉末で、 二酸化炭素などの有機溶剤には溶けません。
約260℃で発火して燃焼すると、有毒で腐食性の十酸化四リン(五酸化二リン:P₄O₁₀)になります。
常圧で加熱すると約400℃で昇華します。
また、純粋な赤リンは、黄リンに比べて安定しており、空気中に放置しても自然発火はしませんが、黄リンを含んだ不良品は、自然発火することがあります。

赤リン(P)
性 質 赤褐色の粉末、比重2.2、無臭
水及び有機溶媒に溶けない
◆赤リンと黄リンは同素体である。
黄リンより安定で、空気中で自然発火することはない。
◆約260℃で発火して燃焼し、有毒な十酸化四リン(P₄O₁₀)となる。
※十酸化四リンは組成式がP₂O₅となるため、五酸化二リンとも呼ばれる。
危険性 ◆摩擦によって発火する。
塩素酸カリウムKClO₃との混合物は、わずかな衝撃で爆発する。
◆粉じん爆発することがある。
◆赤リン自体は毒性が低いが、製造過程で毒性の強い黄リンが含まれることがある。
貯蔵・保管 ◆酸化剤とは隔離する。◆容器は密栓する。
消火方法 ◆大量の注水により一挙に冷却消火する。
◆燃焼により発生する十酸化四リンは、強い脱水作用があり、強酸や強アルカリと同様な腐食性をもつ。取扱注意。

 

性状ポイント

●黄リンの同素体で、赤褐色の粉末である。
●水にも有機溶媒にも溶けない。
●燃焼すると有毒で腐食性のある十酸化四リンになる。

 

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