ハロゲン間化合物

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第6類(酸化性液体)

第6類では、「その他のもので政令で定めるもの」として、ハロゲン間化合物が指定されています。
ハロゲン間化合物は、2種のハロゲンからなる化合物の総称です。
ハロゲン間化合物に属する主な危険物には、三フッ化臭素五フッ化臭素五フッ化ヨウ素があります。

三フッ化臭素(BrF₃)
性 質 ◆刺激臭がある無色の液体。比重2.8。
◆空気中で発煙する。
◆毒性と腐食性がある。
危険性 ◆強力な酸化剤で、有機物と激しく反応して発熱する。この結果、発火することがある。
◆水と爆発的に反応し、猛毒で腐食性のあるフッ化水素HFを生じる。フッ化水素の水溶液(フッ化水素酸)はガラスを溶かす。
貯蔵・保管 ◆水分及び可燃物と接触させない。◆容器は密栓する。
消火方法 ◆粉未消火剤、乾燥砂などを用いる。◆水系の消火剤は使用できない。

 

五フッ化臭素(BrF₅)
性 質 刺激臭のある無色~淡黄色の液体。比重2.5。
◆空気中で発煙性がある。
◆沸点が41℃で気化しやすい。
危険性 ◆反応性が大きく、水と接触させると爆発的にフッ化水素HFとBrF₃Oを生成する。
貯蔵・保管 ◆水分及び可燃物と接触させない。◆容器は密栓する。
消火方法 ◆粉末消火剤、乾燥砂などを用いる。◆水系の消火剤は使用できない。

 

五フッ化ヨウ素(IF₅)
性 質 強い刺激臭のある無色~黄色の液体。比重3.2。
◆空気中で発煙性がある。
◆反応性に富み、多くの金属・非金属と反応してフッ化物を生じる。
危険性 ◆水と激しく反応してフッ化水素HFとヨウ素酸HIO₃を生じる。
◆有機物、硫黄、金属微粉などが接触すると、酸化して発火するおそれがある。
◆腐食性があり、皮膚に触れると薬傷を起こす。
貯蔵・保管 ◆水分及び可燃物と接触させない。◆容器は密栓する。
消火方法 ◆粉未消火剤、乾燥砂などを用いる。◆水系の消火剤は使用できない。

 

性状ポイント

●いずれも水と反応して、有毒なフッ化水素を生成する。
●いずれも多くの金属、非金属を酸化する。
●いずれもフッ素原子を多く含むほど反応性に富む。
貯蔵・消火ポイント

ガラス製の容器は使用しない。
消火には、乾燥砂等またはリン酸塩類等の粉末の消火剤を用いる。水系消火剤は使用できない。
二酸化炭素、ハロゲン化物の消火剤には効果が無い。