有機金属化合物

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)

有機金属化合物とは、炭化水素基などの炭素原子が直接金属原子と結合した化合物のことです。
試薬、触媒などに利用されています。
有機金属化合物に属する主な危険物には、ジエチル亜鉛があります。
ジエチル亜鉛は、色の液体で、比重は1より大きく水より重い物質です。
ジエチルエーテル、ベンゼンなどの有機溶剤に溶けます。空気中で容易に酸化されて自然発火し、水などと激しく反応して可燃性のエタン(C₂H₆)を発生します。
容器は完全密封し、窒素などの不活性ガスを封入して貯蔵します。

(有機金属化合物のうちアルキルアルミニウムアルキルリチウムは個別の品名として掲げられ、この分類からは除かれています。)

ジエチル亜鉛 (C₂H₅)₂Zn
性 質 無色の液体で、比重1.2。
◆空気中で容易に酸化され、直ちに自然発火する。また、発生する白煙(金属酸化物)は有害である。
◆自然発火性とともに、引火性を有する。
水と激しく反応して、エタンC₂H₆等の炭化水素ガスを発生する。
◆ジエチルエーテルC₂H₅OC₂H₅、ベンゼンC₆H₆等の有機溶媒に溶ける。
危険性 ◆自然発火性が強い。
貯蔵・保管 ◆窒素などの不活性ガス中に貯蔵する。
◆空気及び水とは接触させない。
消火方法 粉末消火剤・乾燥砂を用いて消火する。
◆水系の消火剤(水・強化液・泡)は、使用してはならない。激しく反応して可燃性のエタン等を発生する。
◆ハロゲン化物消火剤は、使用してはならない。消火の効果が少ないほか、反応して有毒ガスを発生する。

 

性状ポイント

●無色の液体で、水より重く、有機溶剤に溶ける。
●空気中で自然発火する。
●水、アルコール、酸と激しく反応してエタンを発生する。