ヒドラジンの誘導体

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第5類(自己反応性物質)

ヒドラジン(N₂H₄)は、アンモニア(NH₃)の水素原子(H)の1つがアミノ基(-NH₂)で置き換えられたH₂N-NH₂構造をもつ化合物です。
ヒドラジンの誘導体とは、ヒドラジンの付加反応などで生成した、-HN-NH₂構造をもつ化合物の総称です。
ヒドラジンの誘導体に属する主な危険物には、硫酸ヒドラジンがあります。

硫酸ヒドラジン(NH₂NH₂‧H₂SO₄)
性 質 無色~白色の結晶。無臭。
◆冷水にはほとんど溶けないが、熱水には溶ける。エタノールには溶けない。
◆水溶液は強い酸性を示す(5%水溶液でph1.5程度)。
還元牲を有し酸化されやすい。
危険性 ◆加熱すると分解し、極めて有毒な硫黄酸化物(SOₓ)及び窒素酸化物(NOₓ)のガスを発する。
貯蔵・保管 ◆酸化性の強い物質を避ける。
◆容器は密栓し、冷暗所に保管する。
消火方法 ◆大量の水(散水等)、粉未消火剤などを用いる。

 

性状ポイント

●白色の結晶で、温水に溶けて酸性を示す。
●アルカリと反応して有毒なヒドラジンを遊離する。