過塩素酸

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第6類(酸化性液体)
過塩素酸

過塩素酸は、分析化学の試薬、金属の溶解、有機合成の触媒などに使用されています。
過塩素酸は、色の発煙性液体です。きわめて不安定で強力な酸化性を有するため、一般には6070%の水溶液として扱われています。
水溶液は強酸性を示し、多くの金属や非金属を腐食します。無水物は、還元性の鉄や銅と激しく反応して金属酸化物を生成します。
不安定なため、常圧で容器を密栓し冷暗所に保存しても次第に分解して黄変し、その分解生成物が触媒となって爆発的分解を起こします。
また、水を加えるとを発して発熱します。加熱すると酸素と有毒な塩化水素(HCl)を発生し、爆発することがあります。
おがくずや木片などの可燃物やアルコールなどの有機物などと混合すると、発火、爆発のおそれがあります。
過塩素酸が流出したときは、乾燥砂などで覆って流出拡大を防ぎ、ソーダ炭や消石灰などのアルカリ液で中和し、大量の水で洗い流します。

過塩素酸(HClO₄)
性 質 刺激臭のある無色の液体。比重1.8。
とは高熱を出しながら強く反応して溶解する。
◆市販品は60~70%の水溶液としてある。
◆吸湿性があり、空気中では強く発煙する。
◆強力な酸化剤である。
◆硝酸などと同じ強酸である。多くの金属と反応して、水素を発生する。
◆鉄、銅、亜鉛、銀と激しく反応して酸化物を生じる。
危険性 ◆無水物は密閉していても自然分解して爆発する。
◆有機物や可燃物と接触すると、火災や爆発の原因となる。
◆加熱すると爆発的に分解し、塩素性のガス(塩化水素や塩素)を発生する。
◆腐食性があり、高濃度のものが皮膚に接触すると激しい火傷を起こす。
貯蔵・保管 ◆容器は密栓し、冷暗所に保管する。
消火方法 ◆大量の水を用いる。

 

性状ポイント

●水溶液は、多くの金属や非金属を腐食する。
●常圧でも次第に分解して黄変し、爆発的分解を起こす。
●水を加えると発熱する。
●加熱すると有毒な塩化水素を発生し、爆発する。
貯蔵・消火ポイント

容器は密栓して、乾燥した冷暗所に貯蔵する。
流出時は、乾燥砂で覆い、ソーダ灰、消石灰などのアルカリ液で中和し、大量の水で洗い流す。
消火には、大量の水、水系消火器、リン酸塩類等の粉末消火剤、乾燥砂等を用いる。
二酸化炭素消火剤、ハロゲン化物消火剤には効果が無い。

 

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