塩素化ケイ素化合物

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)
塩素化ケイ素化合物

第3類では、「その他のもので政令で定めるもの」として、塩素化ケイ素化合物が指定されています。
塩素化ケイ素化合物とは、ケイ素化合物のケイ素(Si)が塩素化したものの総称です。
塩素化ケイ素化合物に属する主な危険物には、トリクロロシランがあります。
トリクロロシランは、引火性を有する色の流動性液体で、引火点が常温(20℃)より低く、燃焼範囲が広いため引火の危険性が高い物質です。
水に溶けて加水分解し塩化水素(HCl)を発生します。

トリクロロシランSiHCl₃
性 質 無色で刺激臭のある液体。
◆沸点32℃、引火点-28~-6℃(資料により異なる)、
燃焼範囲1.2~90.5vol%。
◆水により加水分解し、塩化水素HClガスを生成する。また、分解の過程で発熱し、発火することがある。
◆空気中の湿気により発煙する。
◆ベンゼン、ジエチルエーテル、二硫化炭素など多くの有機溶剤に溶ける。
◆高温で熱分解を起こしケイ素に変わる性質から、半導体工業において高純度ケイ素の主原料として利用される。
危険性 ◆蒸気と空気の混合気体は爆発性がある。
◆酸化剤と混合すると爆発的に反応する。
◆腐食性が強い。
貯蔵・保管 ◆水分と接触させない。◆容器に密閉する。
消火方法 ◆乾燥砂などを用いて窒息消火する。
◆水系の消火剤(水・強化液・泡)は、使用してはならない。

 

性状ポイント

●引火性を有する無色の液体である。
●引火点は常温より低く、燃焼範囲が広い。
●加水分解して塩化水素を発生する。

 

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