第4類に共通する特性

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第4類(引火性液体)
第4類に共通する特性

第4類の危険物はすべて可燃物(可燃性)であり、常温(20℃)で ほとんどのものが液状です。 又、沸点の低い危険物は可燃性蒸気が発生しやすく 引火点も低いので危険性が高いのです。

引火性の液体である

第4類の危険物はすべて可燃物(可燃性)であり、常温(20℃)でほとんどのものが液状である。

② 沸点の低い危険物は可燃性蒸気が発生しやすく、引火点も低く危険性が高い。
◆ジエチルエーテル  沸点 35℃  引火点-45℃

③ 引火点の低い危険物は、引火しやすく危険である。
◆ガソリン 引火点-40℃以下で低く、厳冬の北海道でも引火する。

④ 引火点の低い危険物は、発火点も低いとは限らない。
◆二硫化炭素  引火点-30℃以下  発火点90℃で低い
◆酸化プロピレン  引火点-37℃  発火点449℃で高い

⑤ 引火点と燃焼点の関係
一般に燃焼点は引火点より約10℃程高い。

⑥ 燃焼範囲の広い危険物は、危険性が大きい。
◆二硫化炭素 1.0~50.0vol%  ◆アセトアルデヒド 4.0~60.0vol%
◆ガソリン 1.4~7.6vol%(参考)

⑦ 燃焼範囲の下限値が低い危険物は、危険性が大きい。
◆二硫化炭素 1.0~50.0vol%  ◆軽油1.0~6.0vol%

⑧ 危険物が霧状の場合は、空気との接触面積が大きく燃えやすくなり危険性が増大する。

発火点の低いものがある

発火点の低い危険物は、発火しやすく危険性が大きい。
◆ニ硫化炭素  発火点90℃ 第4類で一番低く、発火しやすい。

液比重は1より小さく、水に溶けないものが多い

① 液比重は1より小さく、水に溶けないのが多い。→火災時に水関係の消火器(棒状の水、棒状の強化液)を使用すると、消火できないばかりか消火液の上に燃えている危険物が浮いて火面が広がり危険性が増す。
 【水より重い危険物】
   ニ硫化炭素、クロロベンゼン、酢酸、グリセリン

② 水に溶けないものが多い(非水溶性)
 【水に溶ける危険物】
   アセトアルチヒド、酸化プロピレン、アセトン、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)、酢酸

③ 水溶牲の危険物は、水で希釈して濃度を薄くすると蒸気圧は低くなる。また、引火点は高くなり引火しにくくなる

蒸気比重は1より大きい

① 蒸気比重はすべて1より大きい(空気より重い。)
蒸気はくぼみや低所に滞留し、又低いところへ流れる。

② このため、遠く離れた場所(特に風下側)にある火源により引火する危険性がある。

③ 石油製品の場合、蒸気比重が大きい危険物は液比重が大きく引火点が高い。
◆ギヤー油:蒸気比重大きい  液比重0.90で大きい  引火点220℃で高い

静電気が発生しやすい

① 第4類の危険物は、非水溶性(水に溶けない)で電気の不良導体(絶縁体)であるものが多く、静電気が発生し蓄積(帯電)しやすい。
静電気の火花によリ引火することがある

静電気が発生しない (帯電しない)危険物→エチルアルコール、アセトン等の水溶性危険物。

② 給油ノズルの流速を遅くすると、静電発生は少なくなる。
 

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