亜塩素酸塩類

危険物の性質と火災予防・消化方法 - 第1類(酸化性固体)
亜塩素酸塩類

亜塩素酸塩類とは、亜塩素酸(HClO₂)の水素イオン(H⁺)が金属などの陽イオンで置き換えられた化合物である亜塩素酸塩の総称です。
亜塩素酸塩類は、簡単にいえば、塩素酸塩類より酸素が1つ少ない物質です。
亜塩素酸塩類に属する主な危険物には、亜塩素酸ナトリウムがあります。
亜塩素酸ナトリウムは、色の結晶または結晶性粉末で、によく溶けます。
酸と混合すると有毒で特異な刺激臭のある二酸化塩素(ClO₂)を発生します。

亜塩素酸ナトリウム(NaClO₂)
性 質 ◆無色の結晶性粉末。
◆吸湿性があり、水によく溶ける。
◆常温(20℃)でも少量の二酸化塩素ClO₂を発生するため、特有な刺激臭がある。
◆加熱すると、塩素酸ナトリウムNaClO₃と塩化ナトリウムに分解し、更に加熱すると酸素を放出する。
危険性 ◆直射日光や紫外線により少しずつ分解し、二酸化塩素を発生する。
また、を加えても二酸化塩素が発生する。二酸化塩素は爆発性がある。
◆有機物などと混合すると、わずかな刺激で爆発する。
◆鉄や銅など多くの金属を腐食する。
貯蔵・保管 ◆直射日光を避け、換気を行う。◆火気・加熱・摩擦・衝撃を避ける。
◆酸や有機物との混触を避けるため隔離する。
消火方法 ◆多量の注水により消火する。

 

性状ポイント

●酸と混合すると有毒な二酸化塩素を発生する。
●鉄、銅、銅合金などの金属を腐食する。

 

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