消火剤(消火器)の種類と効果

基礎的な物理学および基礎的な化学
消火剤(消火器)の種類と効果

水の消火剤としてのメリットは、水はいたるところにあり、かつ安価です。蒸発熱、比熱が大きく大規模な火災にも効果があります。


(1)水 

水は気化熱(蒸発熱)及び比熱が大きいので冷却効果が大きい。
水は油火災・電気火災に使用できない → 油火災では油が水に浮き、火面を拡大する危険性がある。電気火災に棒状注水すると、感電する。
③ 水は蒸発すると約1700倍に膨張し、空気中の酸素と可燃性ガスを希釈する作用がある
 

(2)強化液 

① 水に炭酸カリウムを加えた濃厚な水溶液で、水の消火力を強化した消火剤である。
② 放射された薬剤の冷却作用により普通火災に適応し,霧状に放射すれば抑制作用(負触媒作用)により油火災・電気火災にも適応する
③ 再燃防止作用があり、一度消火すると再び燃え出すことがない。
④ 凍結温度が約-30℃なので、寒冷地でも使用できる。
 

(3)泡 

燃焼物を泡でおおって、空気を遮断して窒息消火する。非水溶性(ガソリン等)の油火災には最適の消火剤である
② 一般の泡消火剤
一般の泡消火剤は、水溶性液体(アルコール類、アセトン、酢酸)に触れると泡が溶けて消え消火効果がない
③ 水溶性液体用泡消火剤
水溶性液体の消火には、水溶性液体用泡消火剤(耐アルコール泡消火剤)使用する。水に溶けるアルコール類、アセトン等の消火に適している。
④ 電気火災には、感電する危険があるので使用できない。
 

(4)二酸化炭素 

① 二酸化炭素(炭酸ガス)は、空気より重いので燃焼物をおおい窒息消火する。
室内では、人を退出させて使用する → 酸欠により窒息死のおそれがある。
消火後の汚損が少ない。 → 粉末消火剤や泡消火剤のように機器類を汚損しない。
 

 

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